この度、NPO法人健康経営研究会(理事長:岡田 邦夫)は、健康長寿産業連合会(会長: 橋本 雅博)と健康経営会議実行委員会(委員長: 斎藤敏一)とともに、『「健康経営の進化」-2040年の日本の未来に向けて-』を発表しましたので、ご報告いたします。
■ 提言の背景と目的
少子高齢化に加え社会構造の変革という未曾有の社会的変化に直面しているわが国では、企業や社会全体が持続可能な成長を遂げるために、健康経営においても単なる健康リスク対策の手段ではなく、人という資本を最大化するための新たな仕組みづくりが求められています。
2021年に「健康経営の深化」を提言してから4年が経過し、「人」が社会の進化に追随できず適応しきれなくなりつつあります。この急激な「社会構造変革」において、「人」「企業」「社会」が一体となり、「人という資源を資本化し、企業が成長することで、社会の発展に寄与する」という循環構造を築くことこそが、健康経営の本質的な進化であると考えます。
未来の社会を健康で活力あるものにするためには、多くの人が共感できる「価値共創のテーマ」を選び、健康経営の進化を構想することが重要です。本提言を通じて、多くの企業が健康経営を進化させる道標を得て、未来志向の経営戦略を実現することを願っております。
■ 本提言の構成
- 第1章では、これまでの健康経営の歩みを整理し、健康経営1.0から3.0までの変遷を紹介しています。 特に、健康経営3.0では「人的資本の変革(HCX=ヒックス)」を提案し、企業、地域社会、行政、教育機関、医療機関が連携して共創社会を実現することが重要であることを提言しています。
- 第2章では、急速に進む高齢化と人口減少、増加する医療費と健康寿命の延伸、労働市場の変化と健康管理の課題、健康経営の重要性と今後の課題について述べています。
- 第3章では、急速に進む「社会構造変革」と「人的資本」との関係において、「人的資本の変革(HCX)」の必要性を提言しています。
- 第4章では、「高齢化の進化」-生涯現役社会の構築-について述べ、高齢化を進化させる必要性、エイジズムの撤廃、これからの企業組織の在り方、生涯にわたって健康リテラシーを向上させ、自立した健康づくりが必要不可欠であることについて、現行の「社会制度」と「雇用や働き方」の関係について提言しています。
- 第5章では、流動化する社会の中で、「共創社会の実現」に向けて、人と人、人と会社、人と社会という関係性でのパートナーシップの必要性を提言しています。
■ 関連文書
■ 健康長寿産業連合会について
健康長寿産業連合会は、日本における健康長寿産業の振興を目的に、企業・業界団体が主体となった産業間交流の場として2019年10月1日に設立されました。
健康長寿産業連合会では、健康寿命の延伸に関する全ての産業(健康長寿産業)の振興を図るため「健康都市モデル」「健康関連データの活用推進」「健康経営の推進」「国民の健康リテラシー向上」の4つのテーマでワーキンググループを設置し活動しています。
■ 健康経営会議実行委員会について
健康経営会議実行委員会は、健康経営の普及・啓発を通じて、国が進める「健康寿命の延伸」に貢献することを目的に2015年5月1日に設立されました。健康経営会議実行員会は、関係省庁、健康経営に取り組む企業、健康経営を支援する企業・団体・自治体、そして、有識者と協同し、毎年「健康経営会議」を開催することで、みんなで、健康経営について考える「場」の提供を行っています。
<問い合わせ先>
特定非営利活動法人 健康経営研究会 事務局
info_npokk@kenkokeiei.jp