「新たな日常」を目指した生活
「中国・武漢 原因不明の肺炎」 年明け早々このような新聞記事の見出しで始まったわが国における 一連の新型コロナウイルス感染問題。 その後、新型コロナウイルスは、感染症法第6条第8項の「指定感 染症」とされるとともに、新型インフルエンザ等対策特別措置法の 改正が行われたうえ、同法に基づく緊急事態宣言の下、私たちは、 私生活においても、また、事業活動においても、様々な制約を受け ることとなりました。そして、緊急事態宣言自体は、5月 25 日を もって 47 都道府県すべてにわたって解除されるに至ったものの、 その後も第2波、第3波の発生(コロナウイルスが冬のウイルスで あることから、これまでが第1波の前哨戦で、秋以降が第1波の本 番になる可能性があるとの指摘をする専門家もいます)に備え、 「新たな日常」を目指した生活が続いています。
人類の歴史は感染症(病原体)との闘い
従前から指摘されているように、私たち人類の歴史は、飢餓や戦 争、自然災害と並んで、感染症(病原体)との闘いであったといっ ても過言ではありません。そして、それらの課題を克服するため に、経済成長を生み、また、自由民主主義の政治や科学技術の発展 を生み、そしてまた、医学の進歩につながったと言えるかと思いま す。それゆえ、今回の新型コロナウイルスの感染問題についても、 私たちは新たな治療薬やワクチンの開発を含め、医学の大いなる進 歩につなげていくことになるものと確信しています。
感染症予防対策は健康経営の観点からも重要
もとより感染症への対応は、健康経営の観点からも重要な課題の1つです。 今回の新型コロナウイルス感染問題のような、いわゆるパンデミッ ク発生時はもとより、平時においても、結核やHIV、B型肝炎、イン フルエンザ等の感染症予防対策は、社内流行によって組織の生産性 や企業の経営全体に悪影響を生ぜしめないよう事業者に強く求めら れているものです。
感染症予防対策の見直し
是非今回の新型コロナウイルス感染問題を契機に、改めて職場にお ける感染症予防対策を見直してみてはいかがでしょうか。感染症に ついての教育、感染症予防のための職場環境等の整備(適切な換 気、消毒剤やマスクの備置・使用等)、発生時の勤務体制(在宅勤 務や時差出勤等)や休業ルールの整備等、検討課題は多岐にわたる のではないかと思います。
いずれにしましても、決して悲観的になることなく、常にポジティ ブ思考でこの難局を乗り越えていけたらと願う今日この頃です。